【Books】走ることについて語るときに僕の語ること
いい本だったので記録しておきます。
村上春樹さんの本は好きで、いくつか読んでいるのですが、エッセイ調のものは初めてでした。
なぜ購入したかというと、セールで安かったから。
それもかなり昔だったのですが、彼の積読本がなくなったので、手を取りました。
彼は小説家でありながら、体調維持のために走っています。
趣味というレベルでありながら毎年フルマラソン、トライアスロンをしているアスリートです。
(趣味の域を超えている気がしますが、アマチュアである以上は趣味なのでしょうか)
そんな彼が合間に書き溜めた思い…これを読んでいて人生が凝縮されている気がしました。
真に不健康なものを扱うためには、人はできるだけ健康でなくてはならない
作家もプログラマもそうですが、じっと机に向かっているので不健康でしょう。
ただ、それは悪ではなく、それをする以上は仕方がないこと。
健康を意識するあまりに机に向かわないと何も生まれないから。
その不健康な時間が価値を生み出す。
だから僕らは健康でいる努力もしないといけないのではないのでしょうか。
「リスキーなものを進んで引き受け、それをなんとか乗り越えていくだけの力が、自分の中にもまだあったんだ」
ウルトラマラソンにゴールした時のコメント。
歳を重ねると、冷静に適切に物事に対処できるようになります。
自分の能力内に収めた行動も取れるようになります。
だから成長が少ない。
自分が成長するのは限界を超えた時、それが人生で最も充実する時の1つではないかと思っています。
結局のところ、僕らにとってもっとも大事なものごとは、ほとんどの場合、目には見えない(しかし心では感じられる)何かなのだ。そして本当に価値のあるものごとは往々にして、効率の悪い営為を通してしか獲得できないものなのだ。たとえむなしい行為であったとしても、それは愚かしい行為ではないはずだ。
少し長く引用しましたが、それだけの価値がある。読んだ時に震えました。
先の引用にも近いところがありますが、コスパを無意識に考え行動する癖がついてきました。
限られたリソース(時間やお金、体力など)を最大限に使うにはどうするか。
それで、結果は残せるのですが、中には何も残らない、そう感じることもあります。
だから効率の悪い行為(例えば英単語は手書きで覚える、スマホでなく紙書籍を読む、など)が尊く思えるのです。
いい本でした。
ノルウェイの森も何回も読みましたが、この本も素晴らしい。
しばらくしたらまた読んで新しい発見があると思います。